折れない心を養う

折れない心を養う

耐久スポーツでアスリートが耐えるのは当然のことだ。
だが、体が本当にレースを放棄する前に、心が折れてしまうこともある。

 

「マットの上でマインドフルネスの練習(今の瞬間に意識を集中し、思考は感覚が湧き上がろうとも判断せず、ただ穏やかに観察すること)をすることで、耐久アスリートは、トレーニング中でも競技中でも、不快感、退屈、不安、抵抗などさまざまな感覚を居合わせる術を学ぶのです。」とラウントリーは言う。

 

「ヨガのクラスでも、気持ちが落ち着かない時や、椅子のポーズであと2〜3呼吸すら保つのが難しいときがあります。でも、落ち着きのなさとは、心が私たちにぶつけている反感に過ぎず、マインドフルネスによって、そのままやり過ごすことを学ぶのです」。
耐久スポーツにこのスキルを応用すれば、アスリートにとって大変な強みになるはずだ。

 

アクロヨガの講師で、ヨガ・スラッカーズの共同設立者でもあるジェイソン・マグネスは、ヨガの練習で学んだマインドフルネスのおかげで、もっとも過酷だった耐久レースを乗り切ることができたと言う。
ユタ州モアブで開催された数日間のトレッキングレースに出場中、彼はパニックになりかけた。まだ半分しか走破していないのに疲労困憊し、この先どうなるのか不安になった。
「すでに悲惨な状態で、すべてが遠いことのように感じられました。とてもフィニッシュできる状態ではなかったのです」

 

だが、ジェイソンはヨガマットの上で学んだことを活用して、今の瞬間に立ち戻ることができた。
その時彼は、アシュタンガヨガの最後に行う後屈に不安を覚えたときにやったことを思い出した。

 

「この呼吸法でこのアーサナをやるとどうなるか、ただそれを感じてみようとよく自分に言い聞かせていました。そこで同じことをレース中にやってみると、今の自分がやっていることは長い練習だと思えたのです」。

 

すると突然、先のことはどうでもよくなったという。

 

「今の瞬間に起こっていることをただ感じ取り、やり続けることができたのです」

 

もうひとつ、心を鎮めるプラクティスに座禅がある。
座禅は競技中にアスリートの集中力を高めるのに役立つ。

 

「この穏やかな心境を活動に取り入れることができれば、楽な気持ちでレースに取り組めるようになります」と言うのは、元プロのトライアスリートで、現在はコロラド州ボルダ―でアーユルヴェーダとカイロプラクティックの治療を行うジョン・ドワイラー博士だ。

 

「大切なのは、動的なストレスの真っただ中でも冷静を保つことです」とドワイラーは言う。
彼は、長距離を走っているときの心の静けさを台風の目にたとえる。
「これはいわゆるランナーズハイです。多くのアスリートが偶発的にこの状態を体験します。しかし、ヨガによって習慣的にこの状態に入っていく能力が養われるのです」

 

 

 

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